代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2022.09.2

男性社員や役員・入社1年未満の従業員は産休・育児休業は取得できるの?

最近では中小企業でも、男性社員や役員の方から、育児休業を取りたいというお話をお聞きするようになりました。

産休中・育休中の支援制度は様々あり、それぞれ対象者や手続きが違いとても複雑ですが、今回は「男性社員・役員・入社1年未満の従業員」の育児休業取得についてまとめてみました。

産休と育休の違い

産休と育休の期間は、それぞれ対象者によって違いますので、はじめに確認して下さい。

男性社員の育児休業取得

「育児・介護休業法」の改正により、2022年4月1日より、本人や配偶者が妊娠・出産した旨の申出をした従業員に、「育児休業給付や社会保険料免除など」について、会社が休業取得の意向確認を個別に行わなければならないことになりました。

ただし、最近のある調査では男性の育休の取得率は、大企業で約53%・中小企業では約18%とのことです。

その原因は、中小企業の労働者へのアンケートでは「男性の育休制度自体がない」「言い出しにくい」「会社の評価に影響しそう」「育休中の収入が心配」という声があるように、まだまだ制度自体が不十分なのが現状です。

育児休業給付金

育児休業期間中には賃金支払いがありませんので、その給与の補填として、雇用保険(ハローワーク)から『育児休業給付金』が支給されます。

育児休業給付金の金額は、下記の通りとなります。

給付金の対象者

育児休業給付金の支給を受けるには、雇用保険に加入していることが条件となります。(役員は対象外)

雇用保険は、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、31日以上引き続き雇用されることが見込まれていて、かつ、週20時間以上働いていれば加入することになっています。

社会保険料の免除

月末時点で育児休業等を取得している場合、その月に支払われる給与や賞与に係る「社会保険料が免除(被保険者本人負担分・会社負担分とも)」となります。

なお、2022年10月から、育児休業中の社会保険料の免除要件が変更となります。(詳しい内容は下記のリンクよりご確認下さい)

育児休業等期間中の社会保険料免除要件の見直しの概要(日本年金機構)

役員(女性・男性)の産休育児休業取得

女性の役員の場合

出産手当金

「出産手当金」とは、産休中に出産のために会社を休んだことにより給与の支払いを受けなかった場合に、標準報酬月額の2/3の金額が支給されます。

よって、女性の役員が産休中に役員報酬の支給がない場合には、受け取ることができます。

そこで問題になるのが、役員報酬は途中で変更できないという定期同額給与という税金の制度ですが、役員が産休により役員報酬を支給停止とした場合には、やむを得ない事情があるとして変更が認められます。

出産育児一時金

出産育児一時金は、被保険者や被扶養者が出産された時に、分娩費用の補助として、1児につき42万円が支給されるものです。

なお、病院などの医療機関を通じて申請することにより、病院へ直接支給され、本人が病院に支払う出産費に充当する制度となっています。

育児休業給付金

役員は労働者ではないため、原則として雇用保険に加入することはできません。
したがって、役員の育休中の育児休業給付金は、支給対象となりません。

社会保険料の免除

役員は、産休中については、労務に従事しない場合には、社会保険料の免除となりますが、育休中は社会保険料の免除を受けることはできません。

男性の役員の場合

出産手当金

出産手当金が受給できるのは女性に限られていますので、男性は受給できません。

出産育児一時金

出産育児一時金は、被保険者自身や被扶養者としている妻や家族が出産したときには、分娩費用の補助として支給されます。

したがって、扶養としていない妻が出産した場合には、支給されません。

育児休業給付金

役員は労働者ではないため、原則として雇用保険に加入することはできません。
したがって、役員の育休中の育児休業給付金は、支給対象となりません。

社会保険料の免除

産休中の社会保険料の免除は、出産を迎える女性特有の休業のため、男性は対象外となります。
なお、育休中についても、役員については、社会保険料の免除を受けることはできません。

入社1年未満の従業員

入社直後に妊娠が発覚したときに、産休や育休を取ることはできるのでしょうか?

「産休」については、取得条件はありませんので、入社直後であっても取得することは、可能で産後休暇を取得させないことは違法となります。

「育休」についての要件は「1歳未満の子供を養育する労働者」であることから、原則としては入社直後でも取得が可能ですが、「継続雇用されて1年未満の労働者は育児休業を取得できない」という労使協定が結ばれている会社の場合には、育児休業を取得することができないことになります。

逆に『入社して間もない社員が育休を取得して休職されては困る・・・』という会社は、事前に労使協定を締結しておかないと、原則として拒むことはできませんので、注意が必要です。

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この記事は、執筆日現在の法令などに基づくものであり、その後の法改正によるアップデートは原則としてしておりません。

編集後記

ここ半年ほどで、顧問先で「男性社員の育休」「女性役員の出産」「入社して間もない女性社員の産休」の相談があったので、まとめてみました。

会社にとっては、社員の産休や育休の手続きは、いろいろな手続がその都度必要となり、その手続は結構手間がかかり、毎月のように何らかの事務手続きが必要となります。

会社の事務担当者の方は、手続き漏れなどが無いように、あらかじめ「事務手続きのチェックシート」を作成しておくと良いでしょう。

また、休職中については、社会保険料は免除されても、前年の収入に対して課税される住民税は免除されません。

できれば、会社が住民税を毎月徴収しなくても済むように、本人に納付書が届くように、普通徴収への切替手続きをすることをオススメします。

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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