代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2021.10.26

「医療費の患者負担割合」と「こどもの医療費助成」について

歯医者

1年間に一定額の医療費を負担した場合には、確定申告にて「医療費控除」や「セルフメディケーション税制」の適用をうけることができます。
これからの時期に我々税理士は、医療費の領収書を大量に目にすることとなる訳ですが、現状の医療保険制度では病院や調剤薬局などで患者負担割合(窓口負担割合)はどのようになっているのかこどもの医療費負担は自治体によりどのくらい異なるか、改めて確認してみました。

保険診療の流れ

日本では、病気やけがをしたとき、医療機関の窓口で医療費の一部(一部負担金)を支払うだけで、診療等を受けることができます。
医療機関では一部負担金以外の診療報酬などを審査支払機関(国民健康保険団体連合会など)に請求しておおよそ2ヶ月後に支払いがされることになります。

(参照元)厚生労働省

医療保険制度

少々難解ですが、日本の医療保険制度は基本的に下記のものから成り立っており、日本国民はいずれかの公的な医療保険に加入することとなっており「国民皆保険」といわれています。

年齢対象者医療保険制度
0歳~74歳会社員とその被扶養者健康保険(組合保険・協会けんぽ)
公務員や教職員共済組合保険
船員船員保険
上記以外の自営業者や専業主婦など国民健康保険
75歳以上全員後期高齢者医療保険

医療保険の患者負担割合

さて本題の医療費の患者負担割合は下記の通りになっております。

特に70歳以上の方は、所得により1割から3割負担と異なり、窓口で支払う医療費が3倍変わることになります。
会社経営者の方や個人事業主の方が、70歳以上の親族の方に給与を支払う場合などには、所得税や住民税などの税金だけではなく、この医療費の窓口負担も考慮して検討しないといけません。
考慮せずにやってしまうと、節税のつもりが負担が増える結果となることもありますので、このような節税の副作用にも十分にご注意ください。


(参照元)厚生労働省

乳幼児等医療費助成制度

このほかに、多くの自治体が自治体により「乳幼児等医療費助成制度」があり医療費の助成を行っています。
ただし、この医療費助成が都道府県や市区町村により異なっており、助成対象年齢により3歳から18歳未満の都道府県まで幅広く、所得制限や自己負担の有無のほか、通院や入院により異なっています。
都道府県別では、いちばん多いのは小学校就学前までで、これに加えて市区町村の助成の上乗せがあるので、実際の対象年齢は4歳未満~22歳年度末までと広がっており、入院も通院も15歳年度末まで助成するところが多いなっています。

ちなみに、当事務所がある東京都千代田区はお金持ち自治体であるおかげで、年齢は18歳まで、親の所得制限もなし、通院入院にかかわらず窓口負担は0円、私が現在住んでいる東京都国立市は、年齢は15歳まで、親の所得制限あり、通院の場合のみ1回につき200円の一部負担金ありとのこと。
東京都内でもこれだけ異なります。
子供さんがいる方で、新居を購入予定の方やお引っ越しをお考えの方は、事前に必ずお住まいの市区町村などに確認してみてください。

編集後記

執筆時間の関係でかなりザッとした内容となってしまいました。
しかし、この機会に「子供の医療費助成制度の市区町村の地域差」を久々に確認してみたら、所得制限を廃止したりする市町村などはありましたが、地域格差の変化はあまりありませんでした。
その代わり、過去の患者負担の推移を調べていたら、大学卒業してメーカー就職してサラリーマンだった時の病院の窓口負担は1割負担だったのを思い出しました。
少子高齢化の中で、財政の健全化が全く進む兆しがない現状では、窓口負担が4割になる日も意外に近い気がします。
最後に、参考として昭和48年移行の医療保険制度の推移を乗せておきます。


(参照元)厚生労働省

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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