会社側の都合で従業員を休業させた場合には、最低60%以上の休業手当を支払う必要があります。

雇用調整助成金とは?

労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図った会社に対して、労働者が従業員に支払った休業手当等66.66%~100%が、国によって助成される制度です。

これまでの変更点や今後について

2020年4月15日

コロナ対策の特例措置として、緊急対応期間延長し、条件緩和をするとともに、 中小企業の助成率を「2/3」→「最大80%」に引き上げ

2020年5月1日

中小企業の助成率を「最大100%」に引き上げと厚生労働省が発表

2020年5月14日

安倍首相が記者会見で、雇用調整助成金の1日あたりの上限を「8,330円」→「15,000円」に引き上げると発表し、その後に予算案が閣議決定

2020年5月19日

小規模事業主の雇用調整助成金の申請手続きについて、大幅な簡略化(休業等計画書が不要に)などを実施
オンライン申請の受付を開始(数時間後にトラブルにより受付中止&サイトの閉鎖)

2020年6月5日

オンライン申請の受付再開(再び数時間後に不具合によりシステム停止)

現状

1日あたりの上限の引き上げ額15,000円の法案は、執筆日現在では未成立
(上限8,330円のときに申請した事業者が、追加して助成を受けられるかは、現在のところ未定)

申請先(提出先)

「所轄のハローワーク(職業安定所)」又は「都道府県の労働局」

申請方法(提出方法)

  • 窓口での提出
  • 郵送での提出
  • オンライン申請(執筆日現在は運用停止中)

必要書類(小規模事業主の場合)

提出書類

  • 雇用調整助成金 支給申請書(雇用保険加入者分:1ヶ月ごと)
  • 緊急雇用安定助成金 支給申請書(パート・アルバイト分:1ヶ月ごと)
  • 休業実績一覧表(1ヶ月ごと)
  • 支給申請書別紙 助成率確認票
  • 支給要件確認申立書

添付書類

  • 休業した月と1年前の同じ月の2か月の売上などがわかる書類(試算表や売上台帳など)
  • 休業させた日や時間がわかる書類(タイムカード、出勤簿、シフト表など)
  • 賃金台帳や給与明細書の控えなど
  • 役員等一覧
  • 振込口座がわかる通帳やキャッシュカードのコピー

書類の記載や計算のために必要な書類など

  • 就業規則や給与規定
  • 会社(年間休日)カレンダー
  • 法人番号
  • 雇用保険適用事業所番号(適用事業所台帳)

助成率(小規模事業主)

下記の助成率確認票のチェックシートにより、それぞれ「67%~100%」が助成されます。

助成金の金額の計算方法

雇用調整助成金の具体的な計算例は、ここでは省略しますが、全日休業と短縮営業などを同時にした場合には、休業手当の額の計算は、それぞれ従業員ごとに計算する必要があり、かなり難しいです。

実際に申請される場合には、ハローワーク窓口や社会保険労務士へご相談下さい。

税理士の小言(雇用調整助成金について)

毎週のように制度や必要書類などが変更され、先行して報道されるニュースなどもあり、他の給付金と違い、窓口だけでなく、社会保険労務士業界でも、かなり混乱している模様です。

停止される前のオンライン申請サイトを見たところ、事前に携帯電話でのSMS認証が必要で、自動計算機能付きの様式もかなり複雑。

挙句の果てには、下記の驚きのコメント!

雇用調整助成金オンライン受付システム(リーフレットより)

審査に当たって確認事項がある場合は、労働局またはハローワークから電話・メールで連絡させていただきます。
書類に不足があるような場合は、一旦お戻しをさせていただきますので、再度アップロードをお願いします。

このオンライン申請システムの運用を、富士通に直接委託しているようですが、既存のシステムを全て捨てて、持続化給付金のように、トンネル会社を通して電通に750億円を税金の中から払えば、スムーズに行ったのでしょうか?

この記事は、執筆日現在の法令などに基づくものであり、その後の法改正によるアップデートは原則としてしておりません。

編集後記

この雇用調整助成金の申請と混乱を、わかりやすくお伝えするために、2ヶ月かかって頑張って自分で申請した「とある当事務所の顧問先様」のお話
※ 掲載前にご本人の了承を頂いております。

【4月上旬】
顧問先の社長が自分で3月分を申請してみようと、東京都内のハローワークの入口に2時間並んで窓口へ行き、約40枚の申請書類やマニュアルを入手

【5月上旬】
書類が大量なので、記載方法がわからない箇所を聞きながら、3月~4月分提出しようと、再度2時間並んでハローワークへ(ここで書類が大幅に変更されていたために、提出できずに一旦断念)

【5月中旬】
自分での申請を一旦断念し、専門の社会保険労務士に依頼しようとしたが、25万円の助成金の申請で費用が20万円弱かかる事がわかり、当事務所に協力を要請。

【5月下旬】
様式がさらに変更されており、3月~5月分を申請するために、税理士協力のもとで3ヶ月分の書類をなんとか作成

【6月1日】
自分でハローワークの窓口へ90分並んで無事に提出
だたし、上限が15,000円に変更された後の追加の助成金について「再度申請が必要になるかも」と職員に言われて、ハローワークが嫌いになったとのこと・・・

投稿者プロフィール

盛永 崇也
盛永 崇也
東京神田で税理士・行政書士として中小企業の方やフリーランスの方などに「各種税金の申告業務」のほか「税務相談」「開業支援」「会計ソフト指導」「WEB関連支援」などの仕事をしています。『役に立つ税金情報』を中心に『日々の仕事上で気になったこと』など「お金にまつわる情報」を中心に執筆しております。