代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2021.10.26

協会けんぽの健康保険料率が引き上げの見込み?

中小企業など多くの事業者が加入している『協会けんぽ』ですが、毎年3月分(4月納付分)に、健康保険料と介護保険料が見直されています。
平成30年3月分(4月納付分)からの健康保険料の引き上げが昨日夕方(平成30年1月29日)、ほぼ決まりました。

今年の健康保険料は引上げ?引下げ?

協会けんぽの健康保険料は、都道府県ごとに異なりますが、お住まいの都道府県の保険料はどうなったでしょうか。
さっそく、昨年度との増減を作成し、下記の表にまとめてみました。

協会けんぽの健康保険料

平成30年度平成29年度変動
北海道10.25%10.22%0.03%
青森県9.96%9.96%0.00%
岩手県9.84%9.82%0.02%
宮城県10.05%9.97%0.08%
秋田県10.13%10.16%-0.03%
山形県10.04%9.99%0.05%
福島県9.79%9.85%-0.06%
茨城県9.90%9.89%0.01%
栃木県9.92%9.94%-0.02%
群馬県9.91%9.93%-0.02%
埼玉県9.85%9.87%-0.02%
千葉県9.89%9.89%0.00%
東京都9.90%9.91%-0.01%
神奈川県9.93%9.93%0.00%
新潟県9.63%9.69%-0.06%
富山県9.81%9.80%0.01%
石川県10.04%10.02%0.02%
福井県9.98%9.99%-0.01%
山梨県9.96%10.04%-0.08%
長野県9.71%9.76%-0.05%
岐阜県9.91%9.95%-0.04%
静岡県9.77%9.81%-0.04%
愛知県9.90%9.92%-0.02%
三重県9.90%9.92%-0.02%
滋賀県9.84%9.92%-0.08%
京都府10.02%9.99%0.03%
大阪府10.17%10.13%0.04%
兵庫県10.10%10.06%0.04%
奈良県10.03%10.00%0.03%
和歌山県10.08%10.06%0.02%
鳥取県9.96%9.99%-0.03%
島根県10.13%10.10%0.03%
岡山県10.15%10.15%0.00%
広島県10.00%10.04%-0.04%
山口県10.18%10.11%0.07%
徳島県10.28%10.18%0.10%
香川県10.23%10.24%-0.01%
愛媛県10.10%10.11%-0.01%
高知県10.14%10.18%-0.04%
福岡県10.23%10.19%0.04%
佐賀県10.61%10.47%0.14%
長崎県10.20%10.22%-0.02%
熊本県10.13%10.14%-0.01%
大分県10.26%10.17%0.09%
宮崎県9.97%9.97%0.00%
鹿児島県10.11%10.13%-0.02%
沖縄県9.93%9.95%-0.02%
全国平均10.0174%10.0155%0.0019%

結果

全国47都道府県のうち、
「引上げ」18都道府県
「引下げ」24都道府県
「増減なし」5都道府県
全国平均保険料が、10.0174%(0.00191%の引上げ)となりました。

結果としては、全国的にはは若干引上げといったところでしょうか。
ちなみに、四国と中部地域では引き下げの都道府県が多くなっており、東京都は0.01%の引下げの予定です。

今年度の介護保険は引上げ?引き下げ?

協会けんぽ全体で定められている介護保険料率については、全国均一料率1.65%から1.57%に引下げられる予定です。
ちなみに、一昨年は1.56%だったので、1年でほぼ元の料率に戻したことになります。

介護保険料の推移

平成30年3月分から 1.57%(0.08%↓)
平成29年3月分から 1.65%
平成27年4月分から 1.58%
平成26年3月分から 1.72%
平成24年3月分から 1.55%
平成23年3月分から 1.51%
平成22年3月分から 1.50%
平成21年3月分から 1.19%

なぜ引き下げ?

財源不足などを理由に、介護保険料の負担年齢を40歳以上から引き下げるをいう議論がある中、なぜ引き下げとなるのか気になったので、軽く分析してみました。
決定委員会の議事録によると、おそらく剰余金を含めた収支が均衡するように介護保険料を決定しているが原因だと思われます。
具体的には、保険料を引き上げてると剰余金が発生し、翌年度は剰余金があるので保険料を引き下げる。
このところこの繰り返しのようです。
よって、今年度の委員会の議事録では、今回の保険料の引き下げにより、次年度末の剰余金がほぼなくなる予算案となっていました。
来年度は、引き上げとなるのが有力のようです。

編集後記

この協会けんぽの健康保険料の決定プロセスについて、毎月保険料を計算している立場として、興味があったので以前から注目していました。
そして、健康保険料をほぼ最終の決定プロセスである『 全国健康保険協会運営委員会』ですが、これが傍聴が可能で、かつ事務所近くの身近な場所で行われるということで、実は確定申告作業中の2時間の息抜きとして今回傍聴してみようと、手順に通り事前ファックスにて申し込みをしておきました。
<全国健康保険協会運営委員会>
日時 平成30年1月29日(月)14:00~16:00
場所 アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区九段北4-2-25 JR市ヶ谷駅前)
しかし、急遽のお客様との打ち合わせにより、今回は当日に断念。
その代わり、全国健康保険協会のウェブサイトにアップされた議事録をじっくり読ませてもらいました。

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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