この記事の執筆日(2020年12月18日)は、今年の8月に行われた「令和2年度(第70回)税理士試験」の結果は発表日です。

今日の午前中に、税理士を目指している後輩や知り合いの方から、少数ですが「嬉しいお知らせ」を頂きました。本当におめでとうございます!
(ちなみに、一部科目の合格通知は、明日以降に自宅に郵便で届きます。)

今回は、世の中にあまり知られていない「税理士の紹介」と、時々受ける「税理士を目指している方へのメッセージ」を、年末調整の事務作業の最盛期の中、気分転換を兼ねて、簡単に記事にしました。

税理士はどういうお仕事をしているの?

弁護士や医者とは違い、世の中にあまり知られていない税理士・・・
(高校生である私の娘でも、父親が一体何をしているのか、よくわかっていません)

そんな税理士ですが、一言で言うと「税金の専門家」として、会社や個人の方からの依頼を受けて、税金の申告書を代理で作成し提出したり、税金についての相談をする職業です。(税金以外のいろいろなお金についてや、経営などについても相談にのります)

ちなみに、税理士以外の方が、仮に無償であっても、税金の書類を作成したりすることは、税理士法違反となります。

税金相談をしても、税理士法違反になることさえあります。
(YouTubeなどで税金について、税理士以外の職業の方の動画が少ないのは、これが理由ですね)

税理士試験について

税理士になるための税理士試験は、各科目の合格率が11%~18%の会計学2科目と税法3科目の『合計5科目の合格』が必要です。

一度にすべての科目を受験して合格する必要はなく、長年かけて1科目ずつ合格して5科目合格すると、晴れて税理士になることができます。

しかし、この科目ごとの平均合格率15%は、実際の税理士になるための合格率ではなく、今年の令和2年度税理士試験では、受験申込者36,701人に対して、5科目到達者数749人なので、約2%のかなり狭き門になっています。

「税理士試験には平均何年ぐらいで受かるの?」とよく聞かれるのですが、その人の環境によって大きく違います。

学生などの試験にのみ専念する人で「約3年~6年」、勤めながら受験する人は「約7年~10数年」といったところが実情のようです。
(私自身も、税理士事務所に勤務しながら、10年以上かけて税理士試験に何とか合格しました)

税理士の平均年齢が60歳以上は本当?

税理士試験の合格のために長い年月がかかることなどの不人気が原因で、税理士になろうという若い方は、年々減少しています。

平成26年に日本税理士連合会が公表した少し前のデータですが、すでに60歳~80歳代が過半数を占めております。
(所属する東京の神田支部では、特に私のような開業税理士は、平均年齢が65歳を超えているという説さえ囁かれています)

その原因は、長期間かかる税理士試験の5科目合格と、60歳退職の税務職員の方の転職にあるようです。

そんな税理士ですが、税理士試験の5科目合格者(国家試験合格者)は、現在の登録している税理士の中では、もはや約44%となり半数を割っているのが、実情です。
(内訳は下記の通りで、一定の大学院卒業免除者や元税務職員・公認会計士の方の合計が、約55%)

2020年3月31日現在の資格別税理士登録者数

資 格 別 人 数 割合
国家試験合格者 35,018人 44.44% 44.56
試験免除者
(大学院卒業免除・税務署勤務23年以上など)
29,730人 37.73% 37.73
税務署等出身特別試験合格者 3,115人 3.95% 3.95
公認会計士 10,149人 12.88% 12.88
弁護士 685人 0.87% 0.87
税務代理士 7人 0.01% 0.01
資格認定者 1人 0.00% 0
合      計 78,795人 100% 100

(2020年5月・日税連発行の「税理士界」より引用)

税理士試験の受験生とご家族の方へのメッセージ

税理士試験を受けている方へ

今年の税理士試験結果に、一喜一憂していることと思います。

税理士試験は、「日々努力した人で諦めなかった人」のうち「運が良かった人」だけが、合格することができるものだと言われます。

勤めながら10年以上もかかってしまった自分からできるアドバイスは、2つだけです。

  • 決して諦めないこと(日々勉強して諦められない環境にすること)
  • もし不合格になってしまったら、その原因を自己分析して、早く改善すること

例えば、私はこんなことをしてみました。

  • 勉強を何かと誘惑の多い自宅でするのではなく、同じ受験生が周りで必死に勉強している環境の専門学校の自習室を、可能な限り利用するようにした
  • 受験の申込みを、申込期間初日→申込期限ギリギリに変更した
    (試験当日に受験しない人の多い受験会場の環境なった他に、試験の採点に有利だとの説も・・・)
  • 試験当日に緊張しすぎないように、あえて前日はガッツリ勉強しない
    (試験前日までの勉強し過ぎが原因で、緊張しすぎて試験開始から10分間手の震えが止まらず文字が書けなかった経験から)

税理士試験の受験生のご家族の方へ

税理士試験の不合格は、勉強が足りていなかっただけが原因ではありません。

合格ラインである成績上位15%のあたりは、受験者の半数近くが占めているとも言われています。

試験の傾向や当日のコンディションだけでなく、試験委員の採点による誤差(税法科目では、試験の解答用紙も文章を書く記述式になっているため)による『運』の要素も、合否に大きく影響しているのが実情です。

不合格の結果は、一生懸命勉強している受験している本人にとっては、どうしようもない試験制度による『運』が原因です。

どうか静かに温かく見守ってあげて下さい。

合格された方のご家族には、何も申し上げることはありません。(一緒に喜んで下さい)

編集後記

私自身、税理士になろうという40歳代以下の若い方(笑)を応援しています。

時には、仕事や勉強の相談にのったり、のってもらったり(笑)。

今は、コロナの影響で、会食は出来ない環境ですが、感染が収まり元の環境に戻るのを祈るばかりです。

投稿者プロフィール

盛永 崇也
盛永 崇也
東京神田で開業している税理士・行政書士です。中小企業の方やフリーランスの方などに「税金の申告代行」「税務や経営相談」「開業や廃業支援」「会計ソフト指導」「WEB関連支援」などの仕事をしています。『役に立つ税金などの情報』を中心に『お金にまつわる情報」を執筆しております。