代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2021.10.25

確定申告電話相談センターに従事してみての感想

旧神田税務署

一昨日と昨日の丸2日間、東京税理士会の税務支援事業の一環として「確定申告電話相談センター」に従事してきました。

街角の無料相談コーナーなどの相手の方と対面しての相談業務は今まで何度も従事してことはありましたが、想像通り電話相談センターは、相談件数やスピード感などが色々な意味で違いました。

このセンターは税務署が運営している関係上、いくら匿名とはいえ相談内容や質問内容はもちろんのこと、あまり詳細な運営情報を書くのは色々と問題があるので、従事してみての感想などを書いてみました。

確定申告電話相談センターとは?

確定申告について相談や質問がある方は、税務署に電話することがありますが、その電話が転送されてくるコールセンターの様なもので、税務署職員ではなく税理士が対応する確定申告期間中のみ設けられるものです。

ちなみに今回従事した確定申告電話相談センターは、東京国税局管轄の東京都・神奈川県・千葉県・山梨県の4都県の電話が転送されてきます。
なので電話される方は、近所の税務署に電話をかけているので、当然土地勘のある税理士が対応していると思っておりますが、実は行ったことすらない場所からのご相談ということが多くあります。

そして、確定申告期間中なので、当然ながら電話はつねに鳴りっぱなしです。
ということは、かなり方が電話口で待たされていることでもあり、中には待ちきれずに電話を切られる方も多いと思います。

それでも、おおよその相談件数を推計してみたところ、1人の税理士が1日に対応できるのは約50人〜70人ぐらいなので、この4都県だけで1日当たり約5,000〜10,000件の確定申告に関する相談や質問に対応していることになります。

従事してみての感想

電話での相談は、相手の方の質問をちゃんと理解して、いろいろな質問に即答しなければなりませんので、税金の幅広い知識と経験がとても求められます。

そして、普段はあまり関係が薄い「国税庁のウェブサイトの確定申告書作成コーナーの操作方法」や「確定申告会場の案内」まで多岐にわたるので、新たな発見がとても多く、あっという間に時間が過ぎました。

普段自分で開催する税金相談とは異なり、相手の方は電話で、かつ匿名なので遠慮なく質問や思いの丈をぶつけてくれる(られる)方もいるので、世の中の方の確定申告に対する生の声を聞けたり、 自分自身で確定申告書を苦労して作成する方の苦労している点などを、一度に数多く聞く事ができたのも収穫でした。

色々な相談や質問を数多く受けることは、自分自身の知識の定着や新たな発見に役に立つと思い今回従事してみましたので、その意味ではとても良い経験でした。

従事されたことがある先生には、もうしたくないという先生もいらっしゃるかとは思いますが、自分は来年も時間を作り従事したいと思うほどでした。

最後に税理士先生に向けて

今回一緒に従事していた税理士先生は、想像以上にベテラン風の先生が多く(税理士自体の平均年齢が高い事が原因かもしれませんが…)その先生方が頻繁に従事していて、若い先生が少なく感じました。

税理士や事務所職員は、毎年同じ御依頼者の方の確定申告書を作成する事が多いので、たとえ年間50件の確定申告書を作成したとしても、自分自身もそうですが実務の経験能力はあまり向上しないように思います。

毎年変わる確定申告制度を隅から隅まで事前に再確認しておくキッカケにもなりますし、自分自身の確定申告の知識や能力を再確認するためにも、特に若い先生は一度従事されることをオススメします。

編集後記

最近はPCの税務ソフトに頼って処理している項目も多く、その計算過程や限度額などの計算が機械化されている部分が、頭の中に定着していないことを改めて再認識しました。
そして、あまり実務で携わる事が少ない項目(外国投資や借地権など)について即答できずに時間がかかってしまったりと反省も多くありましたが、これが今回の収穫です。

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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