代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2021.10.22

退職時に有給休暇は会社が買取る?買取らないといけないの?経理処理や税金は?

新型コロナウイルスによる影響で事業を縮小せざるを得ず、従業員の解雇などの人員削減をしている会社が増えています。

先日も顧問先の会社の社長さんより「退職する従業員から未消化の有給休暇を買い取ってくれと言われた」という話がありました。

従業員の立場からすると
「退職後の生活のため出来る限りお金が欲しい」
「有給休暇を消化したいけど迷惑はかけたくない」などの思いもあり、
逆に会社の立場からすると
「辞める従業員に出来る限りお金を支払いたくない」
「有給休暇を消化してもらってもいいけど、仕事の引き継ぎはしっかりしてから辞めてほしい」などの様々な思いもあると思います。

今回の記事では、退職時の有給休暇についての3つの選択肢のほか、仮に会社が買い取る場合に、会社と従業員がお互いに得する方法などについて、簡単にご紹介します。

有給休暇の買取りは禁止?可能?

有給休暇は労働者をリフレッシュさせるための制度なので、退職時以外では会社が買い取ることは、原則として禁止されていますが、退職時には買取ることが認められています。

そして、従業員から有給休暇の取得の申し出があった場合には、会社は拒否することが、ほぼできない制度となっています。

一方で、退職前の有給休暇の申請をすべて受け入れることは難しい場合もあり、会社は退職日までは業務を指示することもできます。

結果として、従業員と会社の2つ権利が対立することになってしまうので、会社としては業務引継ぎなどを理由として可能な限り出勤させ、退職日までに消化しきれなかった有給休暇を消化してもらったり、買い取ったりすることを提案するのも一つの方法です。

退職時の有給休暇の3つの選択肢

結果として、未消化の有給休暇については、以下の3つの選択肢がありますので、お互いに協議の上で決めることになります。

  • 退職前に消化する(消化)
  • 会社に買い取ってもらう(買取)
  • 未消化のまま時効により消滅(時効消滅)

有給休暇の買取金額の計算

有給休暇の買取り金額の計算については、下記の3つのうち、就業規則で定めた方法により計算します。

  • 過去3ヶ月の平均賃金
  • 通常の賃金(月額給与÷1ヶ月の所定労働日数)
  • 標準報酬月額(社会保険料の算定のための金額)

有給休暇の買取をした場合の税金と社会保険料

定期的な給与として支払った場合には「給与」、一時金として支払う時は「賞与」、お互いに合意の上で退職金として支払うときは「退職金」として取り扱うこと考えられますが、税務署は以前「有給休暇買取りが退職時のみとしている企業は、その分の金額を退職金として扱う」という見解を示していましたが、近年では全額を「退職金」ではなく「給与又は賞与」として取り扱うケースもあるようなので、注意が必要です。

結論としては「退職金」として支払った方が、税金や社会保険料がかからず、会社と従業員がお互いに得をする結果となりますので、できれば退職金規定のその旨を記載しておくのが良いと思われます。

給与とする場合

税金

毎月の給与と同じように「給与所得の源泉徴収税額表」から所得税を計算して差し引きます。

社会保険

毎月の給与と同じように「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」により差し引きます。

賞与とする場合

税金

「賞与の源泉徴収税額表」から所得税を計算して差し引きます

社会保険

賞与と同じように「健康保険・厚生年金保険の保険料率」により計算して差し引きます。
あわせて「賞与支払届」の提出が必要です。

退職金とする場合

税金

退職金の源泉徴収税額表から所得税や住民税を計算して差し引きます
(勤続年数が20年以下の場合には「40万円✕勤続年数(最小80万円)」までは、税金はかかりません)

社会保険

退職金には社会保険料はかかりません。

編集後記

1人当たり10万円が支給される定額給付金で、家電製品が最近とても売れているというニュースがありました。
私自身も10年以上使った自宅のテレビを55型の有機ELテレビに買い換えました。

そこで驚いたのが、画面の美しさはもちろんのこと、テレビのリモコンが赤外線方式ではなく、無線(電波)方式に変わっているため、リモコンをテレビの方向に向けなくてもよくなっているだけでなく、スマホがリモコンとして使えるようになっていたことです。

さらに「Android TV」が搭載されているため『OKグーグル!テレビをつけて! 』とリモコン自体も不要な時代となっており、事務所だけでなく自宅でも音声操作の頻度が増えている近頃です。
(ちなみに、この記事もキーボードではなく、音声入力により執筆しております)

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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