個人の買い物で現金を使わずに、クレジットカードや電子マネーなどで買い物する人も多いと思います。
町中から現金が消える?
昨日のNHKの番組で見たのですが、スウェーデンでは政府の後押しもあって、町中から現金が、ほぼ消えたそうです。
これもたまたま昨日参加した研修で、「マネーフォワード」の創業者のお一人でもあり、取締役Fintech研究所長である瀧俊雄氏も、デンマークでは造幣局が廃止になったと、ちょうどお話しされていました。
最近日本でも、自ら電子マネーを発行しているイオン、イトーヨーカドーなどの大型スーパーやコンビニだけでなく、チェーン店をはじめ、特に都心では駅周辺を中心に利用可能な店舗が増えています。
そして、飲食店や小売業などの顧問先様のお店でも、否応なくこの流れに乗り遅れないように、お店に電子決済サービスをゾクゾクと導入していて、同業者の団体などが電子決済サービス会社と提携して、利用端末を無料貸し出しする後押しするところも出てきています。
お店の立場からすると、代金の決済会社に3%前後の手数料を取られてしまいますので、現金で購入してもらう方が手取りが多いので、ありがたいのは当然ですが、それ以上にお客さんが増えていくことを期待できますし、なにせキャッシュレスで買い物できない店は、今後はお客さんに避けられてしまうことにもなります。
日本政府もキャッシュレスを後押ししている
日本も経済産業省を中心に、キャッシュレスの推進にあたり、2025年までに決済に占める割合を現在から倍にあたる40%にするという提言を発表しています。
ICT(情報通信技術)の推進の一環で、キャッシュレスは消費者サービスの向上という観点だけでなく、店舗などでの売上集計などの効率化が期待でき、訪日観光客の利便性を向上させたいとのことです。
世界のキャッシュレス化の事情
話は少しそれますが、数年前の2015年のデータではありますが、世界で一番キャッシュレス化が進んでいる国は、圧倒的に『韓国』だそうです。
<出典:経済産業省の検討会資料より>
中国で非現金化が進んでいるとは聞いてはいましたが、韓国の89.1%には、正直驚きました。
原因は瀧氏の話によると、韓国では1997年の通貨危機を境に政府主導で、自営業者などの店舗からの税金の徴税能力を高めることなどを目的に、1999年に『年間カード利用額の20%を税額控除する制度』などを設け、3年間でクレジットカードの使用金額が7倍に増える成果を収め、さらに2020年には硬貨の廃止を予定しているとのこと。
これらにより、国民の消費活動をガラス張りにして、売上の除外などの脱税ができないようにすることにより、税金の徴収能力の向上に見事に成功しています。
日本がキャッシュレス化を勧める理由
話はもどり、本題ではありますが、
日本政府がキャッシュレス化を推し進めるのは、内閣府の資料などによると、2020年の東京オリンピックを踏まえ「外国人観光客の利便性・効率性の向上」が目的とだけが示されてはいます。
ただ本心では「韓国のように脱税ができない仕組み作り」を世界に負けないように作りあげる、という大きな目的が見え隠れしているように思えてなりません。
最後に
お店だけでなく、お客さんである「個人」の消費活動も全てガラス張りになるこのキャッシュレス化
国民の全員の消費活動の一環である「交通機関の移動や通信など」から「保険や納税」といったありとあらゆる決済情報が、銀行口座に登録のマイナンバーを利用して全て紐付けされて、国の機関が必要に応じて、その気になれば、すべて調べることができるという仕組みは、一国民としてちょっと怖いような気持ちになります。
逆に、これが正直もの(きちんと納税する人)が損をしない社会を実現する事にもつながるので、複雑です。
今週、建設業の許可の関係で東京都庁に書類の束(副本を含めて約100枚)を提出したり、自分の会社の登記申請で東京法務局に書類の束(同じく副本を含めて約40枚)を提出したりしました。
相変わらずのICTとはかけ離れた世界で、建設業許可では、都道府県によって書類が異なったり、添付書類を変更してみたり、コピー提出から原本提出に換えてみたり…
法務局では、専門書を購入し熟読して行ったにもかかわらず、相談員の方によって書類やその書き方が違ったり…
おかげで、われわれ専門職が存在するわけですが、税務署の税務手続が共通化されていて、少し進んでいるなと改めて実感した近頃でした。
投稿者プロフィール
- 盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)
「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。