年の瀬も近づき、昨年の大晦日にはサーバーがダウンしたことでもニュースになった仲介サイト「さ○ふる」のテレビCMなどで目にする事が急に増えた「ふるさと納税」についての制度や控除限度額の目安から手続きまでを総まとめします。

ふるさと納税とは

通称「ふるさと納税」とは、2008年から始まった所得税と個人住民税との制度です。
日本にある地方自治体(都道府県・市区町村)に寄付をして、その寄付した金額について確定申告などの手続きを行うことによって、所得税や個人住民税について一定の金額以上の寄付した金額が控除される制度です。
その寄付する地方自治体によっては、寄付金の額に応じて主にその地域の特産品を返礼品として送付していることもあり、控除の範囲内で寄付をすると実質的に2,000円の自己負担で返礼品をもらえることもあり、平成28年度には2,540億円が利用されております。

寄付金控除の制度

個人の方が寄付金をした場合の税金については、寄付金控除(所得控除)と寄付金特別控除(税額控除)の2種類があります。
さらに、その種類は大きく下記に区分され、それぞれ控除額の計算などが異なります。

  1. 政治活動に関する寄付金(政治資金規正法第12条の寄付金で資金収支報告書により国に報告されたもの)
  2. 認定NPO法人に対する寄付金
  3. 公益社団法人等に対する寄付金
  4. その他特定震災指定寄附金
  5. 地方自治体に対する寄付金(←ふるさと納税)

ふるさと納税の控除額の計算

それぞれ「所得税」と「住民税」の計算をする際にそれぞれ控除があります。
計算過程はかなり複雑ですが、詳細の計算は下記の通りとなります。

  1. 所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
    総所得金額等の40%が上限です。
  2.  住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
    総所得金額等の30%が上限です。
  3. 住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
    この特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合は、上記3の計算式で決まります。(注)住民税所得割額の2割を超える場合 → 住民税からの控除(特例分) = (住民税所得割額)×20%
    この場合、1+2+3の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超ええることとなります。
    ※ 具体的な計算は、お住まいの市区町村や顧問税理士などにお問い合わせください。

ふるさと納税の全額控除の目安表

一番気になる自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税及び個人住民税などから控除される、いわゆる一番お得な寄付金上限がを計算する「ふるさと納税額の目安表(平成27年以降)」です。

<注意点>

  1. 下記表は住宅ローン控除・医療費控除・生命保険料控除などの他の控除受けていない給与所得者のケースとなります。
  2. 年金収入のみの方個人事業者の方住宅ローン控除や多額の医療費控除等の控除を受けている方は、控除限度額は表とは異なります
  3. 社会保険料控除額について概算いて給与収入の15%と仮定しています。
  4. 掲載している表はあくまで目安です。具体的な計算は顧問税理士などにお問い合わせ下さい。

ちなみに、当事務所の顧問先様及び顧問先様の従業員の方につきましては、お申し込み頂きましたら無償にて「ふるさと納税の控除限度額」計算表をお送りしておりますので、当サイトのお問合せなどよりご依頼下さい。

ふるさと納税する
本人の給与収入
ふるさと納税をする方の家族構成
独身又共働き 夫婦又は共働き+子1人(高校生) 共働き+子1人(大学生) 夫婦+子1人(高校生) 共働き+子2人(大学生と高校生) 夫婦+子2人(大学生と高校生)
300万円 28,000円 19,000円 15,000円 11,000円 7,000円
325万円 31,000円 23,000円 18,000円 14,000円 10,000円 3,000円
350万円 34,000円 26,000円 22,000円 18,000円 13,000円 5,000円
375万円 38,000円 29,000円 25,000円 21,000円 17,000円 8,000円
400万円 42,000円 33,000円 29,000円 25,000円 21,000円 12,000円
425万円 45,000円 37,000円 33,000円 29,000円 24,000円 16,000円
450万円 52,000円 41,000円 37,000円 33,000円 28,000円 20,000円
475万円 56,000円 45,000円 40,000円 36,000円 32,000円 24,000円
500万円 61,000円 49,000円 44,000円 40,000円 36,000円 28,000円
525万円 65,000円 56,000円 49,000円 44,000円 40,000円 31,000円
550万円 69,000円 60,000円 57,000円 48,000円 44,000円 35,000円
575万円 73,000円 64,000円 61,000円 56,000円 48,000円 39,000円
600万円 77,000円 69,000円 66,000円 60,000円 57,000円 43,000円
625万円 81,000円 73,000円 70,000円 64,000円 61,000円 48,000円
650万円 97,000円 77,000円 74,000円 68,000円 65,000円 53,000円
675万円 102,000円 81,000円 78,000円 73,000円 70,000円 62,000円
700万円 108,000円 86,000円 83,000円 78,000円 75,000円 66,000円
725万円 113,000円 104,000円 88,000円 82,000円 79,000円 71,000円
750万円 118,000円 109,000円 106,000円 87,000円 84,000円 76,000円
775万円 124,000円 114,000円 111,000円 105,000円 89,000円 80,000円
800万円 129,000円 120,000円 116,000円 110,000円 107,000円 85,000円
825万円 135,000円 125,000円 122,000円 116,000円 112,000円 90,000円
850万円 140,000円 131,000円 127,000円 121,000円 118,000円 108,000円
875万円 145,000円 136,000円 132,000円 126,000円 123,000円 113,000円
900万円 151,000円 141,000円 138,000円 132,000円 128,000円 119,000円
925万円 157,000円 148,000円 144,000円 138,000円 135,000円 125,000円
950万円 163,000円 154,000円 150,000円 144,000円 141,000円 131,000円
975万円 170,000円 160,000円 157,000円 151,000円 147,000円 138,000円
1000万円 176,000円 166,000円 163,000円 157,000円 153,000円 144,000円
1100万円 213,000円 194,000円 191,000円 185,000円 181,000円 172,000円
1200万円 242,000円 232,000円 229,000円 222,000円 219,000円 200,000円
1300万円 271,000円 261,000円 258,000円 252,000円 248,000円 238,000円
1400万円 355,000円 343,000円 339,000円 331,000円 277,000円 267,000円
1500万円 389,000円 377,000円 373,000円 366,000円 361,000円 350,000円
1600万円 424,000円 412,000円 408,000円 400,000円 396,000円 384,000円
1700万円 458,000円 446,000円 442,000円 435,000円 430,000円 419,000円
1800万円 493,000円 481,000円 477,000円 469,000円 465,000円 453,000円
1900万円 528,000円 516,000円 512,000円 505,000円 500,000円 489,000円
2000万円 564,000円 552,000円 548,000円 540,000円 536,000円 524,000円
2100万円 599,000円 587,000円 583,000円 576,000円 571,000円 560,000円
2200万円 635,000円 623,000円 619,000円 611,000円 607,000円 595,000円
2300万円 767,000円 754,000円 749,000円 741,000円 642,000円 631,000円
2400万円 808,000円 795,000円 790,000円 781,000円 776,000円 763,000円
2500万円 849,000円 835,000円 830,000円 822,000円 817,000円 804,000円

ふるさと納税の手続き

ふるさと納税を行なった後には、下記のいずれかの方法により寄附金控除の手続きを行う必要があります。
この手続きを行わないと、純粋な寄付となり、寄付相当額の税額控除などは行われません。

  1. 寄付した翌年に税務署に対して確定申告する
  2. 寄付した自治体に対してふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を申請する

寄付した翌年に税務署に対して確定申告する

寄附金控除を受けるためには、原則として、寄附をした翌年の3月15日までに、住所地等の所轄の税務署へ確定申告が必要となります。
確定申告を行う際には、寄附をした自治体が発行する寄附の証明書・受領書や、専用振込用紙の払込控(受領書)が必要となります。

<確定申告の流れ>

  • 自治体にふるさと納税を行うと受領書が発行される①②
  • その受領書を元に確定申告を行うとふるさと納税を行った年の所得税から控除分が還付されると共に税務署から住所市区町村へ申告情報が共有される③④
  • ふるさと納税を行った翌年の住民税が減額される④

つまり、確定申告を行うと、前述の「控除額の計算」に沿って所得税と住民税の控除額がそれぞれ決まり、所得税分はその年の所得税から控除(還付)され、住民税分は翌年度の住民税から控除(住民税の減額)される事となります。

<ふるさと納税ワンストップ特例」の申請書を提出された方>

ふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申請書を提出された方が確定申告を行う場合には、ワンストップ特例の適用を受けることができませんので、確定申告を行う際に、全てのふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含める必要がありますのでご注意ください。

確定申告書への記載例(平成28年分版)

寄付した自治体に対してふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を申請する

確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税を行った各自治体に申請することで確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」があります。(平成27年4月1日以後に行われるふるさと納税より適用)
ふるさと納税ワンストップ特例の申請を行った場合、所得税からの控除は行われずその分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されます。

  • ふるさと納税の特例適用申請書と共に、マイナンバーなどの個人番号情報の提供が必要となります。
  • ふるさと納税と同時に特例の適用申請後に、転居による住所変更等、提出済の申請書の内容に変更があった場合、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ変更届出書を提出が必要
  • なお、5団体を超える自治体にふるさと納税を行った方や、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告を行う方も、ふるさと納税についての控除を受けるためには、これまで同様に確定申告を行う必要があります。
  • ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受ける方は、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う住民税の減額という形で控除が行われます。

最後に

夕方のニュースやワイドショーなどにも取り上げられることも増え、多くのご質問やお問い合わせを頂くことが増えました。
ただ個人的には、ふるさと納税の返礼品という制度があることにより地域財源の偏在化の解消に役になっているとはいえ、ふるさと納税を増やそうとする市区町村がインターネット広告サイト会社へ支払う広告料が急増していることや返礼品を利得を目的に転売している個人の方のニュースなどを目にしてしまうと、何か税金の使われ方として何となくですが違和感を感じております。

投稿者プロフィール

盛永崇也
盛永崇也
東京神田で税理士・行政書士として中小企業の方やフリーランスの方などに対して税金申告業務のほか税務相談・開業支援・会計ソフト指導・WEB関連支援などの仕事をしています。『役に立つ税金情報』を中心に『日々の仕事上で気になったこと』『これは便利だなと思ったこと』などを執筆しております。