代表税理士ブログ

【 最終更新日 】 2021.10.26

寡婦控除・ひとり親控除の違いを税理士がフローチャートで解説!

親子写真
◆ 更新情報 ◆
令和2年(2020年)の税制改正により、「未婚」のシングルマザーも対象となるように「ひとり親控除」が創設されるとともに、大幅な見直しがされたため、記事内容を更新しました【2021年4月20日更新】

 

寡婦控除・ひとり親控除とは?

「寡婦(かふ)控除」「ひとり親控除」とは、本人の合計所得金額が500万円以下で年末時点で婚姻していない人が、一定の条件を満たしているときには、「寡婦控除(27万円)」や「ひとり親控除(35万円)」という所得控除を受けるときができ、所得税や住民税などの減税を受けられるという制度です。

なお、この適用を受けるためには、会社に提出する「年末調整書類」か「確定申告書」にその旨を記載する必要があります。

この控除は、制度が複雑なので、税務署などの文書で確認すると、我々専門家でも、とてもわかりずらいものです。
そこで今回は、わかりやすいようにフローチャートにまとめてみましたので、適用になるかどうかの判定などに、どうぞお役立て下さい。

寡婦控除とひとり親控除の対象者

寡婦控除・ひとり親控除判定フローチャート

判定の時期

寡婦控除とひとり親控除の判定のタイミングは「その年の12月31日の時点」の状況により判定することとなります。

住民税の控除額や非課税制度

住民税の控除額は、ひとり親控除の金額は「30万円」、寡婦控除は「26万円」となります。
そのほかに「合計所得金額が135万円以下であるひとり親」に対し、個人住民税が非課税となる制度もあります。

【参考】寡婦控除・ひとり親控除の規定

ひとり親控除

ひとり親とは、原則としてその年の12月31日の現況で、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、次の3つの要件の全てに当てはまる人です。

  1. その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと
  2. 生計を一にする子がいること
    この場合の子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます
  3. 合計所得金額が500万円以下であること

寡婦控除

寡婦とは、原則としてその年の12月31日の現況で「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる人です。
なお、納税者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいる場合は対象となりません。

  1. 夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人
  2. 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人
    なお、この場合は、扶養親族の要件はありません
編集後記

お勤めの方は、会社に離婚経験があることを伝えづらい方もいると思います。
そのような方は、すこし面倒ですが、翌年の3月15日までに、ご自身で確定申告することにより、会社に知られることなく、減税の恩恵を受けることができます。
年収が290万円ぐらいの方であれば、所得税と住民税の合計で約10~14万円の税金が減額となります。
毎年のことなので、受けられる恩恵は、しっかりと受けるようにしましょう!

投稿者プロフィール

東京パトレ税務法務オフィス
東京パトレ税務法務オフィス
盛永崇也(東京の神田で開業している税理士/行政書士事務所の代表)

「税務相談/税務顧問や経理経営支援/法人申告・確定申告・給付金申請・相続手続の代行/法人設立や廃業支援や代行」など、法人個人を問わず、お金にまつわる様々なサポートをさせて頂いております。

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